子どもの語用能力評価法の開発 (第2報) : ことばのつかいかたテストの判別性能および語用能力の認知能力との関連の検討

本研究では, 未就学から学齢期の自閉症スペクトラム障害(ASD)児と定型発達(TD)児を対象に, 語用能力を直接評価する検査「ことばのつかいかたテスト(TOPJC)」の判別性能と語用能力に関わる認知的背景を検討することを目的とした. ロジスティック回帰分析の結果, TOPJCと「子どものコミュニケーション・チェックリストCCC-2日本語版」を組み合わせることでそれぞれを単独で用いるより判別力が向上し, 信頼性の高い情報を提供できることが示された. TOPJCの正答数と月齢との関連の検討から, ASD児はTD児よりも語用能力の発達が遅れることが示唆された. またTOPJCの正答数とK-ABC認知...

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Veröffentlicht in:コミュニケーション障害学 2021-12, Vol.38 (3), p.183-193
Hauptverfasser: 水谷柳子, 槻舘尚武, 田中早苗, 吉村優子, 菊知充, 長谷川千秋, 大井学
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 未就学から学齢期の自閉症スペクトラム障害(ASD)児と定型発達(TD)児を対象に, 語用能力を直接評価する検査「ことばのつかいかたテスト(TOPJC)」の判別性能と語用能力に関わる認知的背景を検討することを目的とした. ロジスティック回帰分析の結果, TOPJCと「子どものコミュニケーション・チェックリストCCC-2日本語版」を組み合わせることでそれぞれを単独で用いるより判別力が向上し, 信頼性の高い情報を提供できることが示された. TOPJCの正答数と月齢との関連の検討から, ASD児はTD児よりも語用能力の発達が遅れることが示唆された. またTOPJCの正答数とK-ABC認知総合尺度およびPVT-R評価点との関連に関する検討から, TD児が自然に語用能力を会得していくのに対しASD児は認知能力や語彙力などさまざまな能力で補完しながら会得している可能性が示唆された.
ISSN:1347-8451