自閉症スペクトラム障害のある成人におけるコロケーション誤用生起とその特異性についての検討
自閉症スペクトラム障害者(ASD 者)のコロケーション誤用の生起の確認および外国語学習者のコロケーション誤用との比較を行った。18 歳以上(18 〜40 歳)のASD 群12名と対照群12 名が,一定の条件を満たした会話相手と行った30 分間にわたる会話を分析した。対照群では誤用がみられなかったのに対し,ASD 群の内11 名から計25 個のコロケーション誤用が抽出され,抽出されなかった1名は発話量が少なく,誤用には発話量も関係していると思われた。それぞれの誤用の想定される正用表現を求め,分類語彙表増補改訂版(2004)を用い誤用と正用の類似度を調べた。ASD 群では,外国語学習者に比べ類似度...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2021, Vol.38(1), pp.17-25 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 自閉症スペクトラム障害者(ASD 者)のコロケーション誤用の生起の確認および外国語学習者のコロケーション誤用との比較を行った。18 歳以上(18 〜40 歳)のASD 群12名と対照群12 名が,一定の条件を満たした会話相手と行った30 分間にわたる会話を分析した。対照群では誤用がみられなかったのに対し,ASD 群の内11 名から計25 個のコロケーション誤用が抽出され,抽出されなかった1名は発話量が少なく,誤用には発話量も関係していると思われた。それぞれの誤用の想定される正用表現を求め,分類語彙表増補改訂版(2004)を用い誤用と正用の類似度を調べた。ASD 群では,外国語学習者に比べ類似度が低い誤りが多く,視覚的イメージに依存しやすいことや文脈の処理が定型発達者とは異なることが示唆された。また重複,造語,過剰,省略表現は外国語学習者にはみられず,成人ASD 者では外国語学習者のコロケーション誤用とは異なる特徴を示した。 |
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ISSN: | 1347-8451 1884-7048 |
DOI: | 10.11219/jjcomdis.38.1_17 |