臨床に活きる研究的姿勢を

(司会上智大学吉畑博代) 第39回学術講演会の教育講演Iで, 言語聴覚士である水田秀子先生にご講演いただいた. 水田先生は日常の臨床から研究テーマを見いだし, その成果を著書や論文に多数まとめておられる. まさしく今回の大会テーマ「生きる, 伝えあう―ことばを紡ぐ, こころを織りなす, いのちをつなぐ―」のとおり, 臨床と研究という縦糸と横糸とを織りなすように, 詳細に症候分析を行いその結果を失語症者に還元しておられる. 「臨床と研究が織りなす原点に立ち戻りたい」という本学術講演会会長の思いに沿って, 臨床上の疑問や工夫を研究に活かす姿勢について語ってくださった. 失語症状の発生機序を深く考え...

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Veröffentlicht in:コミュニケーション障害学 2013-12, Vol.30 (3), p.165-170
1. Verfasser: 水田秀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(司会上智大学吉畑博代) 第39回学術講演会の教育講演Iで, 言語聴覚士である水田秀子先生にご講演いただいた. 水田先生は日常の臨床から研究テーマを見いだし, その成果を著書や論文に多数まとめておられる. まさしく今回の大会テーマ「生きる, 伝えあう―ことばを紡ぐ, こころを織りなす, いのちをつなぐ―」のとおり, 臨床と研究という縦糸と横糸とを織りなすように, 詳細に症候分析を行いその結果を失語症者に還元しておられる. 「臨床と研究が織りなす原点に立ち戻りたい」という本学術講演会会長の思いに沿って, 臨床上の疑問や工夫を研究に活かす姿勢について語ってくださった. 失語症状の発生機序を深く考え治療方針を立てて, その仮説を検証することは, 臨床家の醍醐味である. このような研究的姿勢は, 眼前の失語症者ひとりひとりを大切にすることに繋がる. まずはわれわれ臨床家のコミュニケーション能力や観察スキルを向上させて, 失語症者の反応や変化を敏感に捉え, 言語・コミュニケーションの改善に寄与できるように, 日々の臨床に向き合っていきたいと考える.
ISSN:1347-8451