パーキンソン病の摂食・嚥下障害とその治療
パーキンソン病(Parkinson's disease:以下PD)は50~60歳代に発症し, 主に錐体外路系の障害が現れる原因不明の神経疾患である. 振戦, 筋強剛, 無動寡動, 立ち直り反射障害などの症状が進行性に増悪する. PDの死因は肺炎が多く, 誤嚥は肺炎発症のリスク因子である. PDの摂食・嚥下障害は自覚症状に乏しく, 無症候性誤嚥も多いため, 定期的に摂食・嚥下スクリーニングを実施し, 嚥下機能障害を早期に発見することが望ましい. 嚥下造影検査では, 口腔での食物の保持困難, 分割嚥下, 誤嚥, 咽頭残留, 食道での蠕動低下など, 嚥下運動のどの期にも障害が現れうる. P...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2013-09, Vol.30 (2), p.84-88 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | パーキンソン病(Parkinson's disease:以下PD)は50~60歳代に発症し, 主に錐体外路系の障害が現れる原因不明の神経疾患である. 振戦, 筋強剛, 無動寡動, 立ち直り反射障害などの症状が進行性に増悪する. PDの死因は肺炎が多く, 誤嚥は肺炎発症のリスク因子である. PDの摂食・嚥下障害は自覚症状に乏しく, 無症候性誤嚥も多いため, 定期的に摂食・嚥下スクリーニングを実施し, 嚥下機能障害を早期に発見することが望ましい. 嚥下造影検査では, 口腔での食物の保持困難, 分割嚥下, 誤嚥, 咽頭残留, 食道での蠕動低下など, 嚥下運動のどの期にも障害が現れうる. PDの嚥下機能障害に, 抗パーキンソン病薬は十分な効果がなく, 障害に対応させた食物調整やリハビリテーションを実施する. 進行期には摂取量低下のために栄養状態が悪化し, 経管栄養や胃瘻造設が必要になる. 「歴史的な背景」 パーキンソン病(Parkinson's disease:以下PD)は50~60歳代に発症することが多く, 中脳黒質のドパミン作動性有色素神経細胞が脱落し, 線条体でのドパミン喪失によって, 錐体外路系の障害が現れる. |
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ISSN: | 1347-8451 |