L-7. 当センターにおける気管切開児に対する取り組み 第1報
【はじめに】近年, 周産期医療の著しい進歩により新生児期に気管切開(以下気切)を施行され, その後長期に気切を維持する症例は増加傾向にある. 当センターでは気管切開児(以下気切児)に対し気切言語外来を設け, 多職種と連携しながら気切児に発声・音声言語・言語発達等についての評価や促進, コミュニケーション支援を行っている. 全身状態, 気道の状態などを検討し, 適応のある症例にはスピーチバルブ(以下SV)の装用をすすめている. 【目的】当センターでの気切児に対する取り組みと, 症例の経過をまとめ報告した. 【対象と方法】当外来を継続的に受診している1歳から13歳(平均5.3歳)の男児17名, 女...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2011, Vol.28 (3), p.242-242 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】近年, 周産期医療の著しい進歩により新生児期に気管切開(以下気切)を施行され, その後長期に気切を維持する症例は増加傾向にある. 当センターでは気管切開児(以下気切児)に対し気切言語外来を設け, 多職種と連携しながら気切児に発声・音声言語・言語発達等についての評価や促進, コミュニケーション支援を行っている. 全身状態, 気道の状態などを検討し, 適応のある症例にはスピーチバルブ(以下SV)の装用をすすめている. 【目的】当センターでの気切児に対する取り組みと, 症例の経過をまとめ報告した. 【対象と方法】当外来を継続的に受診している1歳から13歳(平均5.3歳)の男児17名, 女児14名計31名につきカルテの記載より後方視的に5項目について検討した. 【結果】(1)気切の原因となる疾患 : 上気道閉塞と喉頭軟化症が多く, 他には声門下狭搾や声帯麻痺などがあった. また複数例に原因疾患の重複がみられた. (2)気切言語外来初診時年齢とSV装用開始時期 : 初診時年齢は6ヵ月~5歳, 平均23ヵ月であった. 装用開始は1歳までが10例, 1歳を過ぎてからが21例だった. (3)SVが装用可能になるまでの期間 : SV装用可能な25例中17例が装用開始から1年以内にSV装用可能となった. (4)SV装用状況 : 31例中, 常用可能, 限定的に装用可能を合わせると26例であった. (5)SV装用効果 : 発声の増加, 声質の変化, 声量の増加, 産生する音の増加, 発語や要求行動の増加が認められ, SVの装用によって気切児のコミュニケーション行動に変化が生じる可能性が推測された. 【まとめ】当センターでの気切児に対する取り組みと経過について報告した. 今後, 気切児の言語発達, 構音発達などについても検討していきたい. |
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ISSN: | 1347-8451 |