M-1. 腫瘍切除による上顎欠損症例の発話機能について:顎義歯装着による効果
【目的】 腫瘍切除による上顎欠損症例の発話の特徴と顎義歯の効果について明らかにする. 【対象】 腫瘍切除後, 上顎欠損を生じ, 愛知学院大学歯学部附属病院顎顔面補綴科診療部にて顎義歯を作製し, 同院言語治療外来で言語検査を実施した14例である(非再建症例9例, 再建症例5例). また, 健常成人5例を対照群とした. 【方法】 対象症例に発語明瞭度検査, ブローイング検査, 構音検査を顎義歯非装着時, 装着時に実施した. さらに発語明瞭度検査から異聴マトリックスを作成し, 異聴の傾向を非再建症例, 再建症例とも顎義歯非装着時, 装着時を分析した. 【結果】 非再建例では, 発語明瞭度は顎義歯非装...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2009, Vol.26 (3), p.224-224 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 腫瘍切除による上顎欠損症例の発話の特徴と顎義歯の効果について明らかにする. 【対象】 腫瘍切除後, 上顎欠損を生じ, 愛知学院大学歯学部附属病院顎顔面補綴科診療部にて顎義歯を作製し, 同院言語治療外来で言語検査を実施した14例である(非再建症例9例, 再建症例5例). また, 健常成人5例を対照群とした. 【方法】 対象症例に発語明瞭度検査, ブローイング検査, 構音検査を顎義歯非装着時, 装着時に実施した. さらに発語明瞭度検査から異聴マトリックスを作成し, 異聴の傾向を非再建症例, 再建症例とも顎義歯非装着時, 装着時を分析した. 【結果】 非再建例では, 発語明瞭度は顎義歯非装着時25.3%, 顎義歯装着時81.1%であった. ブローイング検査は顎義歯装着により呼気鼻漏出量が減少した. 構音は呼気鼻漏出による子音の歪みや構音点の後方化が認められたが顎義歯装着により改善された. 異聴傾向では, 顎義歯非装着時では無声子音は摩擦音へ, 有声子音は通鼻音への異聴傾向が認められた. 再建例では, 顎義歯非装着時82.1%, 顎義歯装着時86.6%であった. 再建例の構音は, 顎義歯非装着時には側音化や口蓋化構音様の歪みが認められたが, 顎義歯装着により改善した. 【考察】 上顎欠損によって呼気鼻漏出量の増加, 構音点, 構音様式の障害に起因する発話の特徴が表れ, 発語明瞭度や異聴傾向に影響を与えたと考えられた. 顎義歯装着によりこれらが改善されたことから, 顎義歯が上顎欠損症例の構音障害の治療に効果があることが示唆された. さらに再建症例では顎義歯の装着により, 非装着時に認められた構音の歪みが軽減されたことから, 顎義歯による口腔内の形態の変化が構音に影響を与えたと考えられた. |
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ISSN: | 1347-8451 |