N-5. RTI(Responsiveness To Intervention)に基づく軽度発達障害児の発見と指導:通常学級におけるLDスクリーニングプロセス
【目的】指導の結果として生じる子どもの学習を段階的に評価していくRTI(Responsiveness To Intervention)の実施結果に基づいて学習のつまづきの早期発見, つまづきの原因の同定, さらに個々の子どものニーズに応じた指導内容や方法の検討を行う. 【方法】かな読み書きを中心に評価するRTIの段階1スクリーニングテストを小2児童(502名)に実施した. 語の認知, 短文理解, 聴写(かな, 漢字)からなる課題を担任が実施し, 2つ以上の課題で平均より1SD低いもしくは1つの課題で平均より2SD低い場合成績不振と判定した. 成績不振児には知能検査, 言語検査を個別に実施し,...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2007, Vol.24 (3), p.231-231 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】指導の結果として生じる子どもの学習を段階的に評価していくRTI(Responsiveness To Intervention)の実施結果に基づいて学習のつまづきの早期発見, つまづきの原因の同定, さらに個々の子どものニーズに応じた指導内容や方法の検討を行う. 【方法】かな読み書きを中心に評価するRTIの段階1スクリーニングテストを小2児童(502名)に実施した. 語の認知, 短文理解, 聴写(かな, 漢字)からなる課題を担任が実施し, 2つ以上の課題で平均より1SD低いもしくは1つの課題で平均より2SD低い場合成績不振と判定した. 成績不振児には知能検査, 言語検査を個別に実施し, 担任や家族からの情報も加えて子どもの問題を理解しつまづきの背景を検討した. 【結果】スクリーニングテストの結果, かな読み書き習得につまづいていると判定された13.6%(67名)の個別掘り下げ検査の結果では平均PVT評価点7.3(SD3.3), 平均ITPA(ことばの類推)評価点28.4(SD5.4)と言語能力が低かった. IQや行動特徴により3群(境界域, 行動面の問題あり, RD/LDの疑い)に分けて比較したところ, 3群ともかな聴写の成績が低く(33~37%の達成率), 境界域は短文理解や漢字, 言語や学力も後者2群に比べると低かったが, 後者2群には国語の学力以外違いが認められなかった. 【考察】小2でかな読み書き習得に問題を呈する子どもには言語の問題をもつ可能性が高く, 今後STの介入が期待される. RTI段階1ではつまづきの背景に知的レベルや行動特徴など多様な要因があることが示唆されたが, それらがどのように学習のつまづきや学習スタイルなどに関連し反映されるのか明らかでない. 【結論】RTI段階1スクリーニングで小2児童の13.6%がかなの読み書き習得につまづいていることが明らかになった. 今後, つまづきの背景を明らかにしつつ, 個々の子どものニーズに応じることができる段階2指導・評価プロセスの構築が必要である. |
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ISSN: | 1347-8451 |