K-2. 重度障害児への音楽療法:感覚遊びを活用してコミュニケーションを試みた事例
【対象児および目標】13トリソミーモザイク型の障害をもつ6歳女児, 左耳難聴, 言語理解6カ月児レベル, 発語は哺語のみ, 独歩2歳7カ月, 静止立位が困難で歩行は左方向へ傾く. 目標は母親からの主訴に基づき模倣行動の獲得と他者との共感を通したコミュニケーション活動とした. 【方法】2003年4月より45分間の個別音楽療法を月2回の頻度で行った. 担当は音楽療法士2名, 場所は公民館の一室を借り母親同伴で行った. セッションの開始・終了時に椅子着席をしてセラピスト(以下Th)と対面で挨拶歌を聞くほか, 主に本児の好きな楽器で感覚遊びを中心とした活動を行った. 【経過および結果】開始当初より好き...
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Veröffentlicht in: | コミュニケーション障害学 2007, Vol.24 (3), p.226-226 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【対象児および目標】13トリソミーモザイク型の障害をもつ6歳女児, 左耳難聴, 言語理解6カ月児レベル, 発語は哺語のみ, 独歩2歳7カ月, 静止立位が困難で歩行は左方向へ傾く. 目標は母親からの主訴に基づき模倣行動の獲得と他者との共感を通したコミュニケーション活動とした. 【方法】2003年4月より45分間の個別音楽療法を月2回の頻度で行った. 担当は音楽療法士2名, 場所は公民館の一室を借り母親同伴で行った. セッションの開始・終了時に椅子着席をしてセラピスト(以下Th)と対面で挨拶歌を聞くほか, 主に本児の好きな楽器で感覚遊びを中心とした活動を行った. 【経過および結果】開始当初より好きな歌には笑顔で快を表現する動作がみられた. また感覚刺激を好み振動, 前後の揺らし, 高所に上る, 自己回転, 楽器を両手の中で揉むなどが多くみられた. そこでこれらの感覚遊びをセッションに活用することにした. 挨拶歌ではThが対面で手つなぎをして本児の前後揺らし動作を一緒に行ったところ, Thへのアイコンタクトや甘え行動が増加した. キーボードではこの動作を使って鍵盤をならすようになり, 好きな歌では歌詞のリズムに合わせて出音する場面もあった. 現在はThとの音のやり取りも少しずつみられるようになったところである. 模倣行動獲得に向けての注視・追視は好きな楽器やキャラクターのぬいぐるみでみられ, 特にシャボン玉では追視やThの吹く動作の模倣がみられている. 【考察】本児の好む感覚遊び動作を音楽活動の場面に積極的に活用しさらにコミュニケーション行動へと導く工夫を行った結果, 他者や外界への意識を少しずつ広げることが可能であったと考えられる. また要求や喜怒哀楽の表現がしっかりとしてきており, 今後はさらに模倣動作の獲得を促して, よりわかりやすいコミュニケーション手段を獲得できるよう継続して見守っていきたいと考える. |
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ISSN: | 1347-8451 |