一般演題座長記 B-4群:失語症1

本群では, 症例に関して2題, 失語症状を実験的な手法を用いて分析しようとしたものが3題発表された. 演題28(永友ら)は写字に重度の障害を認めた失語症の症例2例を報告した. 症例1は文字の運動覚の障害が, 症例2には構成障害, 文字の運動覚の障害, 視覚性運動失調の関与が疑われるとの報告であった. 緒方(塩原病院)は図形の模写はどうであったか, また, 図形の模写と文字のそれとは根本的に異なるのかと質問した. 症例1は立方体の模写が可能であり, 2は右のUSNのため右側に不整合, 省略を認めたこと, そして, 空間的配置の問題は図形と共通するが, 書き順や丸めに関しては図形とは異なるとの返答...

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Veröffentlicht in:コミュニケーション障害学 2003, Vol.20 (3), p.192-193
Hauptverfasser: 細川恵子, 浦野雅世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本群では, 症例に関して2題, 失語症状を実験的な手法を用いて分析しようとしたものが3題発表された. 演題28(永友ら)は写字に重度の障害を認めた失語症の症例2例を報告した. 症例1は文字の運動覚の障害が, 症例2には構成障害, 文字の運動覚の障害, 視覚性運動失調の関与が疑われるとの報告であった. 緒方(塩原病院)は図形の模写はどうであったか, また, 図形の模写と文字のそれとは根本的に異なるのかと質問した. 症例1は立方体の模写が可能であり, 2は右のUSNのため右側に不整合, 省略を認めたこと, そして, 空間的配置の問題は図形と共通するが, 書き順や丸めに関しては図形とは異なるとの返答があった. 吉野(筑波大)は運動覚から文字を読む検査と視覚性運動失調の検査について質問した. 症例1は文字読みにおいて30/46の正答, 症例2は中心視野, 周辺視野において数センチのずれを認めたとの返答であった. 演題29(玉木)は重度のWernicke失語の症例に対して, 意味的理解を重視するのではなく, 場を共有し, 表情やうなずきで支持的に接することでコミュニケーションを促すことができたとの発表であった.
ISSN:1347-8451