自閉性青年の対人関係理解の困難性について:自閉性障害児・者の授受動詞の理解と「心の理論」

目的】自閉性青年の対人関係理解の困難性に関連すると思われる2つの要因に的を絞り考察する. まず, 自閉性青年の言語の特徴として, 視点の変換を要する直示動詞, 特に授受動詞の不適切な理解について検討する. さらに, 自閉性青年に「心の理論」を問う「サリーとアンの誤信念課題」(Baron-Cohenら, 1985)を人形劇で提示し, 主人公の心的表象の理解をみるとともに, その結果を授受動詞の習得度と比較検討する. 【方法】対象者は, 自閉性障害児者17人(男子14, 女子3). CAの平均は, 1516(レンジ8:11~22:3), PVTによるVAの平均は, 7:9(レンジ5:0~12:0)...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 吉澤万知子, 荻野美佐子, 飯高京子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:目的】自閉性青年の対人関係理解の困難性に関連すると思われる2つの要因に的を絞り考察する. まず, 自閉性青年の言語の特徴として, 視点の変換を要する直示動詞, 特に授受動詞の不適切な理解について検討する. さらに, 自閉性青年に「心の理論」を問う「サリーとアンの誤信念課題」(Baron-Cohenら, 1985)を人形劇で提示し, 主人公の心的表象の理解をみるとともに, その結果を授受動詞の習得度と比較検討する. 【方法】対象者は, 自閉性障害児者17人(男子14, 女子3). CAの平均は, 1516(レンジ8:11~22:3), PVTによるVAの平均は, 7:9(レンジ5:0~12:0). 言語能力検査としてPVT, 知能検査としてWISC-III(積木模様)を実施, 授受動詞の理解に関しては, 絵画選択課題と物品移動課題を実施した. さらに, 他者の心の状態を理解する能力をみるため, 人形劇を用いた誤信念課題(Baron-Cohenら, 1985)を行った. 【結果考察】理解語彙発達年齢の上昇と授受動詞の習得度には有意な相関は認められず, 理解語彙が増加したからといって, 必ずしも授受動詞の理解が進むとは限らないことが示唆された.
ISSN:1347-8451