身体バランスの不安定性認知における自己特異的脳活動

二足での身体バランス制御の神経機構は,転倒回避など,ヒトの生存戦略において重要である。一方,方法論的制限により,身体バランスが不安定な状態の脳活動に関する研究は少ない。我々は,身体バランスの不安定性に応答する自己特異的な神経機構を検討するために,動作観察および自他比較の手法が有効であると考えた。本研究では,健常男性13 名に対し3 条件のバランス課題(動的不安定,動的安定,静的安定)を実施し,被験者自身と他者による刺激動画を作成し,機能的磁気共鳴画像法により脳活動を計測した。各課題での自他比較による解析の結果,動的不安定条件でのみ側頭頭頂接合部や頭頂島前庭皮質などの前庭関連領域,島皮質や前前頭...

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Veröffentlicht in:日本保健科学学会誌 2015, Vol.18(3), pp.149-160
Hauptverfasser: 跡見, 友章, 則内, まどか, 大場, 健太郎, 跡見, 順子, 菊池, 吉晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:二足での身体バランス制御の神経機構は,転倒回避など,ヒトの生存戦略において重要である。一方,方法論的制限により,身体バランスが不安定な状態の脳活動に関する研究は少ない。我々は,身体バランスの不安定性に応答する自己特異的な神経機構を検討するために,動作観察および自他比較の手法が有効であると考えた。本研究では,健常男性13 名に対し3 条件のバランス課題(動的不安定,動的安定,静的安定)を実施し,被験者自身と他者による刺激動画を作成し,機能的磁気共鳴画像法により脳活動を計測した。各課題での自他比較による解析の結果,動的不安定条件でのみ側頭頭頂接合部や頭頂島前庭皮質などの前庭関連領域,島皮質や前前頭前野などの情動関連領域に自己に有意な脳活動が認められた。以上より,身体バランス不安定性認知における脳活動においては,明確な自他の差異が存在し,その脳活動は適応などの高次な神経機構と関連することが示唆された。
ISSN:1880-0211
2433-3018
DOI:10.24531/jhsaiih.18.3_149