日中両国の認知症高齢者のBPSDに関する比較検討
社会の高齢化が急速に進行する中国において,高齢者の認知症の実態,そしてそのことが家族に与える影響を把握するため,沈陽市蘇家屯の65歳以上の高齢者3432名を対象として認知症の有病率と認知症の行動心理学的症候(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia : BPSD)の有症率の調査を行い,日本で同様の方法で行なわれた調査の結果と比較した。中国における認知症の有病率は8.1%であり,日本での有病率10.6%よりやや低かった。BPSD全体の有症率は両国間で有意差は認められなかったが,不安,抑うつ,焦燥,依存などの感情面での変化と排泄に関して,中...
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Veröffentlicht in: | 日本保健科学学会誌 2008/06/25, Vol.11(1), pp.12-19 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 社会の高齢化が急速に進行する中国において,高齢者の認知症の実態,そしてそのことが家族に与える影響を把握するため,沈陽市蘇家屯の65歳以上の高齢者3432名を対象として認知症の有病率と認知症の行動心理学的症候(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia : BPSD)の有症率の調査を行い,日本で同様の方法で行なわれた調査の結果と比較した。中国における認知症の有病率は8.1%であり,日本での有病率10.6%よりやや低かった。BPSD全体の有症率は両国間で有意差は認められなかったが,不安,抑うつ,焦燥,依存などの感情面での変化と排泄に関して,中国での有症率が日本より有意に高かった。認知症は中国においても大きな問題となっているが,中国においては生活水準が依然として低く,日本と比べて高齢者の社会保障制度が不十分であることが,感情面でのBPSDに関して両国で相違が出た原因の一つとして考えられた。 |
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ISSN: | 1880-0211 2433-3018 |
DOI: | 10.24531/jhsaiih.11.1_12 |