手術看護における倫理的課題

本研究は,手術看護の質向上をめざし,手術室看護師が日常の看護実践で直面している倫理的課題を明らかにすることを目的とした。13名の手術室看護師に半構成的面接法にて調査を行い,得られた倫理的課題を含む44の具体例について,類似する場面ごとに分類した結果,13場面が抽出された。これらの場面は,「患者の人間性の尊重(自律,善行)」,「プライバシーの保護(忠誠)」,「情報提供(自律,誠実)」,「適切なケア提供(善行)」という倫理原則に関連する4種類の問題状況を含んでおり,「手術部の方針と看護師の価値観が異なるために悩む状況」「他職種と看護師の価値観が異なるために悩む状況」「患者の意向と看護師の価値観が異...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本保健科学学会誌 2006/03/25, Vol.8(4), pp.210-219
Hauptverfasser: 中村, 裕美, 志自岐, 康子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,手術看護の質向上をめざし,手術室看護師が日常の看護実践で直面している倫理的課題を明らかにすることを目的とした。13名の手術室看護師に半構成的面接法にて調査を行い,得られた倫理的課題を含む44の具体例について,類似する場面ごとに分類した結果,13場面が抽出された。これらの場面は,「患者の人間性の尊重(自律,善行)」,「プライバシーの保護(忠誠)」,「情報提供(自律,誠実)」,「適切なケア提供(善行)」という倫理原則に関連する4種類の問題状況を含んでおり,「手術部の方針と看護師の価値観が異なるために悩む状況」「他職種と看護師の価値観が異なるために悩む状況」「患者の意向と看護師の価値観が異なるために悩む状況」という3つの倫理的課題に分類された。また,看護師は看護実践上の倫理的概念である「アドボカシー」,「ケアリング」,「責務」を実践できず苦悩しており,看護師が他職種,患者との関係性の中で葛藤を抱いていることが示唆された。
ISSN:1880-0211
2433-3018
DOI:10.24531/jhsaiih.8.4_210