母親の子どもに対するマルトリートメントの構造化の試み

本研究では, 児童虐待に関する調査研究ならびに児童虐待に対する予防的介入事業の推進に資する基礎資料を得ることをねらいとして, 母親の子どもに対する不適切な関わり(マルトリートメント)の構造を明らかにすることを目的とした。調査対象は, 静岡県下の保育所を利用している母親とし, 統計解析には回収できた4,710名の資料を使用した。探索的因子分析の結果, 解釈可能な3つの因子(「身体的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト」)が得られた。また, 確認的因子分析の結果は, これら3つの因子で構成したモデルが本データに十分適合することを示していた。また, 前述の因子構造モデルを構成する項目群を測定尺度とみたと...

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Veröffentlicht in:日本保健科学学会誌 2005/03/25, Vol.7(4), pp.269-276
Hauptverfasser: 唐, 軼斐, 矢嶋, 裕樹, 桐野, 匡史, 種子田, 綾, 中嶋, 和夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 児童虐待に関する調査研究ならびに児童虐待に対する予防的介入事業の推進に資する基礎資料を得ることをねらいとして, 母親の子どもに対する不適切な関わり(マルトリートメント)の構造を明らかにすることを目的とした。調査対象は, 静岡県下の保育所を利用している母親とし, 統計解析には回収できた4,710名の資料を使用した。探索的因子分析の結果, 解釈可能な3つの因子(「身体的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト」)が得られた。また, 確認的因子分析の結果は, これら3つの因子で構成したモデルが本データに十分適合することを示していた。また, 前述の因子構造モデルを構成する項目群を測定尺度とみたときの信頼性(内的整合性)は, おおむね良好な数値を示していた。以上の知見を踏まえ, 今後の子どもに対するマルトリートメント傾向尺度の開発ならびに研究の方向性について考察した。
ISSN:1880-0211
2433-3018
DOI:10.24531/jhsaiih.7.4_269