ハマウツボ科寄生雑草の防除にむけて
「はじめに」 世界の人口が80億人を突破した現在, 食糧の増産は人類における喫緊の課題である. 特にアフリカ大陸には世界の未耕作地の60%が集中しており, アフリカにおける農業生産の増加は食糧問題の解決の鍵となりうる. しかし, アフリカ半乾燥地域を中心に農業生産に大きな打撃を与えている雑草種がいる. 寄生雑草のストライガ(Striga属植物)である. ストライガは, ハマウツボ科に属する寄生植物で, 宿主となる植物の根に侵入し, 維管束をつなげて水や栄養を奪って生育する. そのため, 寄生された宿主植物の種子生産は20-100%減少する. ストライガは, イネやトウモロコシ, ソルガムなどの...
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Veröffentlicht in: | 日本農薬学会誌 2024-08, Vol.49 (2), p.140-144 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 世界の人口が80億人を突破した現在, 食糧の増産は人類における喫緊の課題である. 特にアフリカ大陸には世界の未耕作地の60%が集中しており, アフリカにおける農業生産の増加は食糧問題の解決の鍵となりうる. しかし, アフリカ半乾燥地域を中心に農業生産に大きな打撃を与えている雑草種がいる. 寄生雑草のストライガ(Striga属植物)である. ストライガは, ハマウツボ科に属する寄生植物で, 宿主となる植物の根に侵入し, 維管束をつなげて水や栄養を奪って生育する. そのため, 寄生された宿主植物の種子生産は20-100%減少する. ストライガは, イネやトウモロコシ, ソルガムなどの主要な穀物に寄生するため, アフリカ地域の食糧生産に大きな打撃を与えている. その被害額は年間10-70億ドルに上ると試算され, コムギ黒さび病菌やジャガイモ疫病菌と並ぶ世界の食料供給に影響を及ぼす7大病害として数えられている. |
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ISSN: | 2187-0365 |