農薬の環境動態・代謝における理論有機化学的研究
「はじめに」農薬の環境影響評価は, 対象生物への影響濃度と環境中での暴露量の比較で行われる. 農薬の各種運命試験により得られる情報と物理化学的性状を併せて環境動態の把握を行い, シミュレーションも活用しながら環境予想濃度を評価している. しかし, 環境中では各種反応が同時進行しており, 標準試験の条件や対象とする環境コンパートメントの特性を十分把握したうえで試験結果を解釈する必要がある. このためには, 各種分光法や理論計算による反応機構解析を実施するとともに, 新規試験系によるデータ蓄積を通した総合的な取り組みが望まれる. 「1. 各種分配過程について」「1.1. オクタノール・水分配係数(...
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Veröffentlicht in: | 日本農薬学会誌 2020/08/20, Vol.45(2), pp.83-84 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」農薬の環境影響評価は, 対象生物への影響濃度と環境中での暴露量の比較で行われる. 農薬の各種運命試験により得られる情報と物理化学的性状を併せて環境動態の把握を行い, シミュレーションも活用しながら環境予想濃度を評価している. しかし, 環境中では各種反応が同時進行しており, 標準試験の条件や対象とする環境コンパートメントの特性を十分把握したうえで試験結果を解釈する必要がある. このためには, 各種分光法や理論計算による反応機構解析を実施するとともに, 新規試験系によるデータ蓄積を通した総合的な取り組みが望まれる. 「1. 各種分配過程について」「1.1. オクタノール・水分配係数(logKow)の理論推算」有機リン剤を題材として分子軌道法計算による理論的な推算手法を検討した. 求められた安定構造の分子体積, LUMOエネルギー準位, 水素結合に関するパラメータNWにより, 高い相関性でフラグメント法のCLOGPと同程度の推算誤差を有する推算式が得られた. |
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ISSN: | 2187-0365 2187-8692 |
DOI: | 10.1584/jpestics.W20-17 |