平成25年度論文賞対象論文の概要とその研究背景

「はじめに」GABA受容体は抑制性神経伝達に関わる重要な受容体で, 5量体からなり, 各サブユニットはN末の細胞外領域と膜貫通領域(M1-M4)で構成されている. GABAがN末の細胞外領域に結合すると, Cl-イオンを選択的に透過するが, アンタゴニストであるシクロジエン系殺虫剤やフィプロニルは昆虫の神経細胞へのCl-イオンの流入を阻害し, 神経の過興奮状態を誘起し, 殺虫作用を示すと考えられている. 昆虫GABA受容体サブユニットは最初にDrosophila melanogasterからクローニングされ, . Rdl(resistant to dieldrin)と命名された1). 昆虫RD...

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Veröffentlicht in:日本農薬学会誌 2013/08/20, Vol.38(2), pp.144-146
Hauptverfasser: 中尾, 俊史, 浜, まさ子, 河原, 信行, 平瀬, 寒月
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」GABA受容体は抑制性神経伝達に関わる重要な受容体で, 5量体からなり, 各サブユニットはN末の細胞外領域と膜貫通領域(M1-M4)で構成されている. GABAがN末の細胞外領域に結合すると, Cl-イオンを選択的に透過するが, アンタゴニストであるシクロジエン系殺虫剤やフィプロニルは昆虫の神経細胞へのCl-イオンの流入を阻害し, 神経の過興奮状態を誘起し, 殺虫作用を示すと考えられている. 昆虫GABA受容体サブユニットは最初にDrosophila melanogasterからクローニングされ, . Rdl(resistant to dieldrin)と命名された1). 昆虫RDL GABA受容体はRDLサブユニットのホモマーの発現で機能することが知られている. 昆虫RDL GABA受容体をターゲットとするフィプロニルやシクロジエン系殺虫剤は膜貫通領域M2によって形成されるチャンネルの孔の部位に結合することが示唆されている.
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/nouyaku.W13-04