農薬の環境リスク評価のための安全性試験とGLP

【はじめに】 農薬は意図的に環境中に放出される物質であり, 環境生物への影響評価(生態影響リスク評価Ecological Risk Assessment)は, 環境リスク評価Environmental Risk Assessmentのひとつとして農薬の開発(有望候補化合物の効力評価および安全性評価)ならびに登録審査において, ヒトの健康への影響評価とともに重要な要件となっている. 生態影響リスク評価の目的は, 生態系(環境生物)への影響を事前に予測し, 生態系保全のための措置を講じることであり, そのためには, 環境生物を用いた毒性試験のみならず, 農薬の環境中での動態, 作物中の残留, それ...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 2011, Vol.36 (4), p.549-552
1. Verfasser: 雜賀修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】 農薬は意図的に環境中に放出される物質であり, 環境生物への影響評価(生態影響リスク評価Ecological Risk Assessment)は, 環境リスク評価Environmental Risk Assessmentのひとつとして農薬の開発(有望候補化合物の効力評価および安全性評価)ならびに登録審査において, ヒトの健康への影響評価とともに重要な要件となっている. 生態影響リスク評価の目的は, 生態系(環境生物)への影響を事前に予測し, 生態系保全のための措置を講じることであり, そのためには, 環境生物を用いた毒性試験のみならず, 農薬の環境中での動態, 作物中の残留, それらに影響する物理化学的試験が必要となる. 日米欧の生態影響リスク評価では本質的に同じ評価方法が用いられているので, まずEUの評価法を例に生態影響リスク評価の基本的考え方とその特徴を整理し, 次にリスク評価のために必要な試験をまとめ, 最後に試験の精度と信頼性を確保するシステムであるGLP(Good Laboratory Practice)について, その役割と意義について紹介したい.
ISSN:1348-589X