農薬に関する消費者との対話:安全性を如何に説明するか

「はじめに」農薬のリスクとベネフィットについて, 農薬の研究者のみならず農薬の散布者や, 農薬を使用して栽培・生産される農作物を摂取する消費者にも正しく理解していただくことは, 農薬を普及するうえで, また, 農薬技術を活用し食料生産を効率化するうえで極めて重要である. このような「農薬について国民に広く, 正しく理解していただく活動」は, 農薬科学に関する研究者・技術者・技術普及者などの集まりである日本農薬学会の重要な任務でもある. 昨今, 食の安全に対する関心の高まりとともに, 日頃摂取する作物に残留する農薬の健康影響に関する懸念が増大している. 国民の多くは, マスコミの報道などを通じ「...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 2008, Vol.33 (2), p.209-218
1. Verfasser: 梅津憲治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」農薬のリスクとベネフィットについて, 農薬の研究者のみならず農薬の散布者や, 農薬を使用して栽培・生産される農作物を摂取する消費者にも正しく理解していただくことは, 農薬を普及するうえで, また, 農薬技術を活用し食料生産を効率化するうえで極めて重要である. このような「農薬について国民に広く, 正しく理解していただく活動」は, 農薬科学に関する研究者・技術者・技術普及者などの集まりである日本農薬学会の重要な任務でもある. 昨今, 食の安全に対する関心の高まりとともに, 日頃摂取する作物に残留する農薬の健康影響に関する懸念が増大している. 国民の多くは, マスコミの報道などを通じ「化学合成農薬は人の健康に悪影響を与えている」と信じ込んでおり, いわゆる“自然食品”, “健康食品”, あるいは“有機食品”に対する要望が増大している. しかしながら, マスコミは農薬の安全性や潜在的危険性について, 全体像を伝えているとは言いがたい. 農薬の危険性や健康影響に関する報道は, 往々にして誇張され, 科学的事実に基づかない場合が多々見受けられる.
ISSN:1348-589X