『農薬とは』その安全性を考える農薬Q&A-農薬の安全性に関する疑問に答える

「はじめに」昨今の世界的な環境問題への関心の高まりのなか, 地球環境保護が叫ばれ, 農業の分野においては, 環境保全に配慮した農業, すなわち「環境保全型農業」が推進されるようになった. わが国においては, 一般に「農薬や化学肥料が環境汚染の源であり, 国民の健康にも悪影響を及ぼしている」という認識が主流をなしているが, 長年地道に農薬や肥料の研究に携わってきた研究者との間には異なった認識も存在するように思われる. 果たして, 農薬の使用が, 一般に言われるほど, 事実として環境や農産物を汚染し, 人の健康にも悪影響を及ぼしているのであろうか. 一般の方々に農薬そのもの, および農薬を使用して...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 2006, Vol.31 (2), p.206-218
1. Verfasser: 梅津憲治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」昨今の世界的な環境問題への関心の高まりのなか, 地球環境保護が叫ばれ, 農業の分野においては, 環境保全に配慮した農業, すなわち「環境保全型農業」が推進されるようになった. わが国においては, 一般に「農薬や化学肥料が環境汚染の源であり, 国民の健康にも悪影響を及ぼしている」という認識が主流をなしているが, 長年地道に農薬や肥料の研究に携わってきた研究者との間には異なった認識も存在するように思われる. 果たして, 農薬の使用が, 一般に言われるほど, 事実として環境や農産物を汚染し, 人の健康にも悪影響を及ぼしているのであろうか. 一般の方々に農薬そのもの, および農薬を使用して栽培される作物やそれらの加工食品の安全性を正しく認識していただくためには, 農薬や残留農薬の安全性あるいは潜在的危険性に関して, 科学的視点に立脚した検証が必要である. そのうえで, その結果を正確に, かつわかりやすく一般の方々に伝え, 納得してもらう過程が必要である. また, このことは国が農薬の使用をどのような理由によって承認し使用方法を決めているのか, そのうえで都道府県が農薬の使用方法の指導などを行っていることに対し理解を深めることにつながる.
ISSN:1348-589X