農薬送達システムとインテリジェント製剤
1. 農薬送達システム 21世紀は, 少量で効力を発揮し, 環境負荷が少なく, 安全な農薬が求められている. また農作業の軽量化, 省力化も重要になっている. これらの要望に応えるには有効成分の性能に依存するところも大きいが, 製剤, 施用法も大きく関係している. そこでは農薬送達システム(Pesticide Delivery System, PDS)の考え方が非常に重要であると考えられる1~5). 農薬送達システムとは, 「必要な時に, 必要な場所に, 必要な量の農薬を送達するという理念」である. このような理念が実現されれば, 無駄になる農薬がなくなり, 施用された農薬がすべて有効に利用さ...
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Veröffentlicht in: | Journal of Pesticide Science 2005, Vol.30 (3), p.323-324 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. 農薬送達システム 21世紀は, 少量で効力を発揮し, 環境負荷が少なく, 安全な農薬が求められている. また農作業の軽量化, 省力化も重要になっている. これらの要望に応えるには有効成分の性能に依存するところも大きいが, 製剤, 施用法も大きく関係している. そこでは農薬送達システム(Pesticide Delivery System, PDS)の考え方が非常に重要であると考えられる1~5). 農薬送達システムとは, 「必要な時に, 必要な場所に, 必要な量の農薬を送達するという理念」である. このような理念が実現されれば, 無駄になる農薬がなくなり, 施用された農薬がすべて有効に利用されることになる. そして環境負荷が少なくなり, 作業者および一般の人に対しても安全であり, 省力的かつ省資源も実現できる. PDSは, 医薬分野における薬物送達システム(Drug Delivery System, DDS)の考え方と類似しているとは言え, その実用化の観点からは, 表1~5)に示すように, (1)開放系である. (2)自然環境条件の影響が大きい, (3)高価な材料や技術を用いることができない. (4)農薬を標的まで運搬する媒体がない. (5)環境や健康な人間への影響も考えなければならない. などの制約のためにDDSより極めて難しいと考えられるが, 今後さらに新規製剤とそれに合った施用法を開発することによって, 少しでもその方向に近づく技術が開発されることが望まれる. |
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ISSN: | 1348-589X |