野菜・花きの種子伝染病防除剤をめぐる最近の問題点

はじめに……今なぜ種子伝染病か? 世界商品として国際的に流通する野菜, 花き種子は, 種子としての価値すなわち豊かな収穫をもたらす能力と併せて, 様々な種子伝染性の病原体(その多くは空気伝染や土壌伝染もする)を伴って, 圃場における病害発生の第一次伝染源となるばかりか, 今まで汚染されていなかった地域に新たな病害の発生をもたらす危険性を孕んでいる. すなわち種子伝染性病害は, 流通する種子の品質管理と, 種子の輸出入に関わる植物検疫との両面で重要な問題を提供することになる. 従来, 種子の品質といえば, 種子の品質構成要素のうち, 含水量, 発芽能力(発芽率, 発芽勢), 純度(夾雑物の有無,...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 2003, Vol.28 (4), p.440-447
Hauptverfasser: 駒田旦, 浅賀宏一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに……今なぜ種子伝染病か? 世界商品として国際的に流通する野菜, 花き種子は, 種子としての価値すなわち豊かな収穫をもたらす能力と併せて, 様々な種子伝染性の病原体(その多くは空気伝染や土壌伝染もする)を伴って, 圃場における病害発生の第一次伝染源となるばかりか, 今まで汚染されていなかった地域に新たな病害の発生をもたらす危険性を孕んでいる. すなわち種子伝染性病害は, 流通する種子の品質管理と, 種子の輸出入に関わる植物検疫との両面で重要な問題を提供することになる. 従来, 種子の品質といえば, 種子の品質構成要素のうち, 含水量, 発芽能力(発芽率, 発芽勢), 純度(夾雑物の有無, 遺伝的純度)に重点が置かれてきた. ところが近年にわかに, 国際的に, 種子伝染性病原体による汚染が注目されるようになり, 汚染のない健全種子供給に対する要望がとみに高まってきた. 種子伝染病が重要視されるようになった背景には, 次のような様々な事情がある.
ISSN:1348-589X