NICU退院後の医療的ケア児の両親の思いと生活の質に関する調査
〔論文要旨〕現在, 在宅医療的ケア児の増加によって, NICUにおける退院支援の充実が求められている. 本研究では, NICU退院後の医療的ケア児の両親に対し, 退院後の思いと生活の質を明らかにすることを目的とした質問紙調査を行った. 調査項目は, (1)基本属性, (2)退院後の両親の思い, (3)育児環境, (4)生活の質(WHO QOL26)とした. 父と母の群間比較にはχ2検定, Mann-WhitneyのU検定を用いた. また, 夫婦をペアとして, それぞれのケースでの父と母の違いや特徴も記述統計にて比較した. 有効な回答が得られた27人(12組の両親と母3人)を分析対象とした(有効...
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Veröffentlicht in: | 小児保健研究 2023-11, Vol.82 (6), p.507-516 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔論文要旨〕現在, 在宅医療的ケア児の増加によって, NICUにおける退院支援の充実が求められている. 本研究では, NICU退院後の医療的ケア児の両親に対し, 退院後の思いと生活の質を明らかにすることを目的とした質問紙調査を行った. 調査項目は, (1)基本属性, (2)退院後の両親の思い, (3)育児環境, (4)生活の質(WHO QOL26)とした. 父と母の群間比較にはχ2検定, Mann-WhitneyのU検定を用いた. また, 夫婦をペアとして, それぞれのケースでの父と母の違いや特徴も記述統計にて比較した. 有効な回答が得られた27人(12組の両親と母3人)を分析対象とした(有効回答率84.4%). 両親ともに, 児と一緒に生活できることや成長発達を日々感じられることに喜びを感じており, 対象者全体のWHO QOL26の平均得点は全国平均より高かった. しかし, 中には夫婦ともにQOLが低いケースや, 夫婦間でQOLに差があるケースも見受けられた. また, 年齢, 悩み事の数, および相談先の数は生活の質への影響が示唆された. 退院支援には, 医療的ケアの手技自体の指導のみならず, 両親それぞれの生活や悩みを把握し, 退院後の子育てと自身の生活の両立がイメージできるよう支援する必要がある. 主に育児を担う母のみでなく, 父への支援も充実させることで, 父のQOL低下を防ぐとともに, 母のみに負担がかかりQOLが低下することを防ぐ必要がある. |
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ISSN: | 0037-4113 |