東北地方における小児神経科医が捉える小児期発症てんかん患者の移行期支援の現状と課題
〔論文要旨〕本研究の目的は, 小児期発症てんかん患者の移行期支援における現状と課題を明らかにすることである. 東北地方で小児期発症てんかん患者の成人移行を行っている小児神経科医6人に半構造化面接を行い, 内容分析によって移行期支援における現状と課題を抽出した. その結果, 小児期発症てんかん患者の移行期支援の現状と課題において, 現状については, 移行のしやすさにポジティブに働く子どもの背景, 移行のしやすさにネガティブに働く子どもの背景, 小児科での診療を望む患者・家族, 成人科に移行する時期, 移行する理由の説明, 成人科から小児科に戻ってくるときの対応, 自立支援, 多職種連携などを含め...
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Veröffentlicht in: | 小児保健研究 2023-09, Vol.82 (5), p.441-452 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔論文要旨〕本研究の目的は, 小児期発症てんかん患者の移行期支援における現状と課題を明らかにすることである. 東北地方で小児期発症てんかん患者の成人移行を行っている小児神経科医6人に半構造化面接を行い, 内容分析によって移行期支援における現状と課題を抽出した. その結果, 小児期発症てんかん患者の移行期支援の現状と課題において, 現状については, 移行のしやすさにポジティブに働く子どもの背景, 移行のしやすさにネガティブに働く子どもの背景, 小児科での診療を望む患者・家族, 成人科に移行する時期, 移行する理由の説明, 成人科から小児科に戻ってくるときの対応, 自立支援, 多職種連携などを含めた14のカテゴリー, 課題については移行先の不足, 成人のてんかん診療医への移行の難しさ, 在宅診療医への移行の難しさ, 自立支援の不足, を含めた7カテゴリーが明らかとなった. 小児期発症てんかん患者の移行期支援では, 特に発達障害・知的障害といった併存疾患の子どもの移行が難しく, 移行においては個別の状況に応じた多職種での支援体制が不足していた. 一人一人の将来的な成人医療の最善のあり方について子どもと家族と話し合い, 成人期におけるその人らしい生活に向けた支援をすること, 成人医療と協働して継続的な支援をすることの強化が必要と考えられる. そのためには, 意思決定や自立支援の多職種による促進が不可欠であり, 小児領域の看護師の役割発揮が期待される. |
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ISSN: | 0037-4113 |