小児在宅医療のこれからを考える~病院勤務医の立場から

「I. はじめに」小児医療の発展とともに, これまで根治が難しかった疾患に対する治療選択肢が増え, それは生存率の飛躍的上昇につながっている. 小児がんの5年生存率は, 1975年頃60%であったところ2016年には80%を超えてきている. また, わが国の新生児死亡率は出生1000対比で1を切っている. その中で慢性的に医療を必要とする子どもたちの数も増加している. 1998年, 米国の母子保健局は「慢性的な身体的, 発達的, 行動的, または感情的な課題がある, もしくは, そのリスクが高く, 一般の子どもが必要とする以上の医療および関連サービスを必要とする子どもたち」をChildren...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2023-05, Vol.82 (3), p.258-261
1. Verfasser: 余谷暢之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」小児医療の発展とともに, これまで根治が難しかった疾患に対する治療選択肢が増え, それは生存率の飛躍的上昇につながっている. 小児がんの5年生存率は, 1975年頃60%であったところ2016年には80%を超えてきている. また, わが国の新生児死亡率は出生1000対比で1を切っている. その中で慢性的に医療を必要とする子どもたちの数も増加している. 1998年, 米国の母子保健局は「慢性的な身体的, 発達的, 行動的, または感情的な課題がある, もしくは, そのリスクが高く, 一般の子どもが必要とする以上の医療および関連サービスを必要とする子どもたち」をChildren with special health care needs(CSHCN)と定義し, 子どもたちの支援を強化する方針を打ち出した. 米国におけるCSHCNの割合は経年的に増加傾向であり2016年には18.8%と報告されており, わが国でも同じ傾向がみられる.
ISSN:0037-4113