新型コロナウイルス感染症流行下における幼児の保護者の日常生活の体験と対処行動【第1報】
〔論文要旨〕本研究は, 新型コロナウイルス感染症(以下, COVID-19)流行下における幼児の保護者の日常生活の体験を明らかにするために, オンラインで面接を行い, 質的記述的分析を実施した. 分析対象者は母親21人であった. 母親はCOVID-19が出現した1年後も【COVID-19に対する恐怖心】を抱いているが, 【思いもよらない価値観の変化】【新しい生活様式への順応】も感じていた. しかし, この過程で, 【他者との人間関係の希薄化】【既存の育児支援システムの弱体化】【意図しない家庭環境の変化】という環境下で, 【新しい生活様式を取り入れる際に生じた閉塞感や困難感】【不本意に変化した子...
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Veröffentlicht in: | 小児保健研究 2023-03, Vol.82 (2), p.173-183 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔論文要旨〕本研究は, 新型コロナウイルス感染症(以下, COVID-19)流行下における幼児の保護者の日常生活の体験を明らかにするために, オンラインで面接を行い, 質的記述的分析を実施した. 分析対象者は母親21人であった. 母親はCOVID-19が出現した1年後も【COVID-19に対する恐怖心】を抱いているが, 【思いもよらない価値観の変化】【新しい生活様式への順応】も感じていた. しかし, この過程で, 【他者との人間関係の希薄化】【既存の育児支援システムの弱体化】【意図しない家庭環境の変化】という環境下で, 【新しい生活様式を取り入れる際に生じた閉塞感や困難感】【不本意に変化した子どもの遊びと遊ぶ場所の減少】【子どもの感染予防対策の促進に対する困難感】への対処を求められ, 役割が増加したことで, 【育児の負担感の増大】を自覚していた. さらに, 就労する母親は【仕事や職場の変化による負荷の増大】【職場の機能を維持させるための責任感】【仕事と育児の両立への困難感の増大】も感じていた. COVID-19流行下で, 他者との人間関係の希薄化が継続し, 母親の感染予防対策の価値観が他者との交流や支援を受けるかを判断する一つの指標になっていた. 今後の育児支援では, 感染状況に応じた感染予防対策を継続しながら, 保護者の交流が活発になるような支援の拡充, 保護者が自身の感染予防対策の価値観で支援を選択できるような整備が求められる. |
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ISSN: | 0037-4113 |