大学生における自身の病気や怪我の経験と現在のヘルスリテラシーの関連
〔論文要旨〕 大学生における自身の病気や怪我の経験と現在のヘルスリテラシーとの関連を明らかにするため, 1大学に所属する大学生に対し病気や怪我の経験と「HL-SDHQ」を用いたヘルスリテラシーを尋ねた自己記入式質問紙調査を行った. ヘルスリテラシーの得点全体の関連因子については, 病気や怪我の経験ありの研究対象者および対象全体に対して重回帰分析(ステップワイズ法)を行った. 660人に配付し, 527人(79.8%)から有効回答を得た. 自身の病気や怪我の経験の有無は大学生のヘルスリテラシーに影響を与えていなかったが, 入院や, 病気や怪我をした際に, 自ら医療者に質問したり, 自身で調べたり...
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Veröffentlicht in: | 小児保健研究 2022-05, Vol.81 (3), p.300-310 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔論文要旨〕 大学生における自身の病気や怪我の経験と現在のヘルスリテラシーとの関連を明らかにするため, 1大学に所属する大学生に対し病気や怪我の経験と「HL-SDHQ」を用いたヘルスリテラシーを尋ねた自己記入式質問紙調査を行った. ヘルスリテラシーの得点全体の関連因子については, 病気や怪我の経験ありの研究対象者および対象全体に対して重回帰分析(ステップワイズ法)を行った. 660人に配付し, 527人(79.8%)から有効回答を得た. 自身の病気や怪我の経験の有無は大学生のヘルスリテラシーに影響を与えていなかったが, 入院や, 病気や怪我をした際に, 自ら医療者に質問したり, 自身で調べたりする経験がヘルスリテラシーと関連していた. また, 大学生のヘルスリテラシーの高さは男性, サークルやボランティア活動およびテレビやネットの情報・SNSが健康に関する考え方に影響を与えると捉えることと関連した. 結果から, 子どものころに病気や怪我を経験した際に, 自ら調べたり質問する機会が, ヘルスリテラシーを高めると示唆された. 医療者は, ヘルスリテラシーの向上に影響しうる機会であることを理解し, 子どもの知りたいと思っていることを常に捉えようとすることや, 子どもが主体となって, 周囲の保護者や医療者と一緒に考えることができるような環境を整えることが必要と考えられた. |
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ISSN: | 0037-4113 |