日本における定期予防接種の副反応と発現時期

〔論文要旨〕日本における乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン, 水痘ワクチン, 乾燥ヘモフィルスb型(Hib)ワクチン, 乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの4種類について, 厚生労働省の「定期の予防接種実施者数」, 「麻しん風しん予防接種の実施状況」, 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「副作用が疑われる症例報告に関する情報」から対象人口, 実施人員, 実施率, 副反応の症状と発現時期についてデータ分析した. その結果, 4種類のワクチンで副反応の報告数が最も多いのはHibワクチンであった. 副反応の症状では, 各ワクチンの添付文書や予診票や問診票に記載されていない副反応も発現していた. 4種類の...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2021-11, Vol.80 (6), p.803-812
Hauptverfasser: 藤野百合, 竹中祐伽里, 上川さゆみ, 梅本歩実, 白木公康
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕日本における乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン, 水痘ワクチン, 乾燥ヘモフィルスb型(Hib)ワクチン, 乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの4種類について, 厚生労働省の「定期の予防接種実施者数」, 「麻しん風しん予防接種の実施状況」, 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「副作用が疑われる症例報告に関する情報」から対象人口, 実施人員, 実施率, 副反応の症状と発現時期についてデータ分析した. その結果, 4種類のワクチンで副反応の報告数が最も多いのはHibワクチンであった. 副反応の症状では, 各ワクチンの添付文書や予診票や問診票に記載されていない副反応も発現していた. 4種類のワクチンにおいて共通の副反応は, 「発熱」, 「熱性痙攣・痙攣発作」, 「免疫性血小板減少性紫斑病・血小板減少性紫斑病」, 「アナフィラキシーショック・アナフィラキシー反応」であった. このうち「発熱」が最も多く, 次いで「熱性痙攣・痙攣発作」であった. 副反応の発現時期は, 「発熱」, 「熱性痙攣・痙攣発作」, 「アナフィラキシーショック・アナフィラキシー反応」は接種当日の発現が多く, 「免疫性血小板減少性紫斑病・血小板減少性紫斑病」は2週間以降の発現が多いことがわかった. 保護者に対して, 副反応の症状や発現時期を事前に情報提供することで, 保護者が子どもの健康状態の異常を早期に気づき受診行動をとるなどし, 重篤な状態になるのを回避できることと同時に, 予防接種について, その意義も含め詳細な説明ができるため, 保護者に安心を与え, 結果, 予防接種の推進にもつながると考えられる.
ISSN:0037-4113