在宅で医療ニーズのある子どもを育てる母親の就労とその関連要因

〔論文要旨〕本研究の目的は, 在宅で医療ニーズのある子どもを育てる母親の就労とその関連要因を明らかにすることである. 一県の小児専門病院へ通院中の在宅療養指導管理料を算定する20歳以下の子どもの母親を対象にして, 無記名自記式質問紙調査を行った. 286人へ調査票を郵送し, 104人から返送を得て, 有効回答81人を分析した. その結果, 本研究対象者の子どもの平均年齢は7.5歳, 医療的ケアのある子どもは40人(49.4%), サービス利用ありは25人(30.9%)であった. 本研究において就労している母親は33人(40.7%), 就労を希望する母親は73人(91.3%)であり, そのうち医...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2020-11, Vol.79 (6), p.565-574
Hauptverfasser: 松澤明美, 白木裕子, 新井順一, 平澤明美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕本研究の目的は, 在宅で医療ニーズのある子どもを育てる母親の就労とその関連要因を明らかにすることである. 一県の小児専門病院へ通院中の在宅療養指導管理料を算定する20歳以下の子どもの母親を対象にして, 無記名自記式質問紙調査を行った. 286人へ調査票を郵送し, 104人から返送を得て, 有効回答81人を分析した. その結果, 本研究対象者の子どもの平均年齢は7.5歳, 医療的ケアのある子どもは40人(49.4%), サービス利用ありは25人(30.9%)であった. 本研究において就労している母親は33人(40.7%), 就労を希望する母親は73人(91.3%)であり, そのうち医療的ケアを必要とする子どもの場合, 就労している母親は10人(25.0%), 就労を希望する母親は35人(87.5%)であった. また就労している母親は就労していない母親と比較して, 子どもの年齢が高く, 日常生活動作の自立度が高く, 医療的ケアがない割合が多かった. 一方, 祖父母のサポートやサービス利用との関連はなかった. 本研究の結果, 医療ニーズのある子どもの母親の就労は難しく, 子どもが医療的ケアを必要とする場合, より困難であった. これらのことから, 専門職はこれらの母親が就労を希望する場合, その視点も含めて, 子どもと家族が必要な支援を検討することが重要である. また多様なニーズのある子どもと家族が必要に応じてサービスを利用できるよう, サービスの質の向上とその提供体制の整備が課題と考えられた.
ISSN:0037-4113