総合病院における親子の絆づくりプログラム '赤ちゃんがきた!' (Baby Program) の取り組み

〔論文要旨〕「親子の絆づくりプログラム '赤ちゃんがきた!'」(Baby Program: BP)は, 乳児期早期の第一子を子育て中の母親に対象を絞った, 参加者中心型の子育て支援プログラムである. BPは1回2時間, 週1回, 4週連続のプログラムで, 全国の自治体(市区町村)に拡大中であるが, その効果の報告は少ない. JCHO大阪病院は周産期医療を担う地域の中核病院で, 育児ストレスの軽減と子ども虐待予防を目的に2012年からBPによる子育て支援を継続している. 2018年3月までに28プログラムを開催し, 479組の母子が参加した. このうち全4回中2回以上参加した...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2019-09, Vol.78 (5), p.453-459
Hauptverfasser: 原田大輔, 木村美貴子, 阪本夏子, 柏木博子, 圓尾亜由美, 中野美佳, 福永花子, 筒井建紀, 田中小百合, 高橋弘枝, 佐野哲也, 難波範行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕「親子の絆づくりプログラム '赤ちゃんがきた!'」(Baby Program: BP)は, 乳児期早期の第一子を子育て中の母親に対象を絞った, 参加者中心型の子育て支援プログラムである. BPは1回2時間, 週1回, 4週連続のプログラムで, 全国の自治体(市区町村)に拡大中であるが, その効果の報告は少ない. JCHO大阪病院は周産期医療を担う地域の中核病院で, 育児ストレスの軽減と子ども虐待予防を目的に2012年からBPによる子育て支援を継続している. 2018年3月までに28プログラムを開催し, 479組の母子が参加した. このうち全4回中2回以上参加した453組を対象にプログラム終了時にアンケート調査を行った(回収率95.8%). 開始当初は対象者の14.6%であった参加率は2017年度には35.1%に増加した. 参加した母親の96.8%が20歳台後半から30歳台, 子の95.2%が生後2~4か月, 核家族が98.2%を占め, 母親の82.1%に育児経験の不足を認めた. 参加者からは「新しい知識を得て」(97.7%), 「ほかの親と情報交換でき」(98.2%), 「育児の悩みや不安の解決」に役立ち(98.7%), 総合的に「参加してよかった」(99.5%)と回答を得た. BPは参加者のニーズに合致していることが示された. 周産期医療を担う総合病院が行う子育て支援の意義は, 妊娠中から切れ目のない支援であり, 出産した病院は母子と医療者が直接対面する機会が多く, そこでのBP開催は母親たちが安心して参加できる利点がある. 今後は範囲を拡大して継続することで, 地域の子育て力の向上と子ども虐待予防効果が期待できる.
ISSN:0037-4113