在宅生活する障がい児と家族への相談支援の実践と課題

〔論文要旨〕 本研究の目的は, 在宅生活する障がい児と家族への相談支援の実践と課題を明らかにすることである. 研究対象は, 郵送法の無記名自記式質問紙調査を依頼した一県の障害児相談支援事業所・全170施設のうち, 返送のあった69施設の相談支援専門員である. 分析の結果, 82.6%の事業所が障がい児の計画相談を実施し, 一事業所の担当の障がい児数は平均27.5人, 最大191人, うち医療的ケア児は平均2.0人, 最大11人であった. また一人が担当する障がい児数は平均24.3人, 最大130人, うち医療的ケア児は平均1.5人, 最大8人であった. また相談支援専門員の78.3%は支援計画...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2019-01, Vol.78 (1), p.41-50
Hauptverfasser: 松澤明美, 白木裕子, 新井順一, 平澤明美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔論文要旨〕 本研究の目的は, 在宅生活する障がい児と家族への相談支援の実践と課題を明らかにすることである. 研究対象は, 郵送法の無記名自記式質問紙調査を依頼した一県の障害児相談支援事業所・全170施設のうち, 返送のあった69施設の相談支援専門員である. 分析の結果, 82.6%の事業所が障がい児の計画相談を実施し, 一事業所の担当の障がい児数は平均27.5人, 最大191人, うち医療的ケア児は平均2.0人, 最大11人であった. また一人が担当する障がい児数は平均24.3人, 最大130人, うち医療的ケア児は平均1.5人, 最大8人であった. また相談支援専門員の78.3%は支援計画を家族と共有し, 障がい児と家族のニーズをアセスメントし, 家族との協働で計画立案・内容を確認していた. そのうえで家族に合わせた計画説明のうえ, 同意を得て関係のサービス事業所・担当者と調整・連携していた. しかし一方で, 約8割の相談支援専門員は障がい児の計画相談が難しく, また約9割は医療的ケア児の計画相談が難しいと回答した. 理由として, 利用・調整できるサービスやマンパワー不足, 診療報酬の低さ, 障がい児と家族のニーズのアセスメント, 家族との協働, 他施設の連携・調整の必要性, 障害・医療的知識・経験の不足が挙げられた. 本結果から, 障がい児, 特に医療的ケア児と家族への人材・社会資源の整備, 相談支援専門員の教育と支援, 子どもの成長発達に合わせた相談支援を含むサービス提供の仕組みの評価の必要性が示唆された.
ISSN:0037-4113