小児の睡眠関連病態

「I. はじめに」著者の経験から, 小児の睡眠関連病態では相談の中心になると思われる睡眠覚醒リズムの乱れに関連する病態と, 睡眠関連てんかんを取り巻く寝ぼけの鑑別に着目する. 「II. 睡眠覚醒リズムの乱れを取り巻く病態について」小児期に寝ない, 眠れない, 起きない, 日中眠い時に鑑別すべき主な関連病態, 特に睡眠相後退性障害, 睡眠不足症候群は夜型傾向社会や不適切な睡眠衛生の影響を受けていると考えられるものも多い. 「1. 睡眠覚醒リズムが生ずる背景(時計遺伝子, 体内時計)」細胞にあるさまざまな時計遺伝子は, 定義にもよるが20~30個以上見つかっており, 変異することで24時間を超える...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2017-11, Vol.76 (6), p.515-520
Hauptverfasser: 福水道郎, 亀井雄一, 三島和夫, 中川栄二, Hayes Marie J
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」著者の経験から, 小児の睡眠関連病態では相談の中心になると思われる睡眠覚醒リズムの乱れに関連する病態と, 睡眠関連てんかんを取り巻く寝ぼけの鑑別に着目する. 「II. 睡眠覚醒リズムの乱れを取り巻く病態について」小児期に寝ない, 眠れない, 起きない, 日中眠い時に鑑別すべき主な関連病態, 特に睡眠相後退性障害, 睡眠不足症候群は夜型傾向社会や不適切な睡眠衛生の影響を受けていると考えられるものも多い. 「1. 睡眠覚醒リズムが生ずる背景(時計遺伝子, 体内時計)」細胞にあるさまざまな時計遺伝子は, 定義にもよるが20~30個以上見つかっており, 変異することで24時間を超える概日リズム(成人で24時間10分前後)は変化・消失する. 転写フィードバックループとして遺伝子発現のネガティブフィードバックループが提唱され, それが根幹と考えられている. 動物では正の転写因子であるCLOCK/BMAL複合体がE-Box配列に結合して, 負の転写因子であるPer, Cryの転写を活性化する.
ISSN:0037-4113