近年, 日本の子どもは足が伸びていない! - 学校保健統計の身長と座高から検証する子どものプロポーションの変化について

「I. はじめに」最近の子どもは足が長くなっている, と思っている人が多いのではないだろうか. ところがこの30年ほどを見ると, 思春期後半の子どもにおいて足の伸びが悪くなっており, 身長に占める足の長さの割合が次第に低下して, プロポーションに変化が起きている. それにもかかわらず, 平成28年度から学校の健康診断項目から座高が削除された. 理由は, 「座高は子どもたちの健康に直接役に立たないから」ということらしいが, 身長から座高を引くと下肢長(足の長さ)が求められ, それが近年低下しているのであるから, 座高を測定しなくなると, 全国平均値としての今後の推移が把握できなくなってしまう....

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2017-05, Vol.76 (3), p.218-223
1. Verfasser: 小林正子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「I. はじめに」最近の子どもは足が長くなっている, と思っている人が多いのではないだろうか. ところがこの30年ほどを見ると, 思春期後半の子どもにおいて足の伸びが悪くなっており, 身長に占める足の長さの割合が次第に低下して, プロポーションに変化が起きている. それにもかかわらず, 平成28年度から学校の健康診断項目から座高が削除された. 理由は, 「座高は子どもたちの健康に直接役に立たないから」ということらしいが, 身長から座高を引くと下肢長(足の長さ)が求められ, それが近年低下しているのであるから, 座高を測定しなくなると, 全国平均値としての今後の推移が把握できなくなってしまう. 文部科学省から発行される「学校保健統計調査報告書」においては, 30年前の親の世代と比べて男子は12歳以降, 女子は10歳以降で「身長に占める足の長さの割合(比下肢長)」が低下していることを指摘しているのに, なぜ座高の測定を止めてしまったのか不思議である.
ISSN:0037-4113