特別支援学校での副籍利用の実態調査

〔論文要旨〕 副籍制度とは, 特別支援学校在籍児が居住地の学校に副籍を持ち, 交流を通じて地域との関係を継続することを目的とした制度である. 特別支援学校在籍児の保護者を対象にアンケートを行い, その利用の実態について調査を行った. 副籍利用率は全体の約半分で, 月1回の通信物での間接交流が最も多かった. 副籍に満足とした人は34.5%, 不満が10.3%であった. 満足度の高い例では十分な直接交流を持てた例が多く, 低い例では交流の難しさを訴える例が多かった. 親の送迎が困難, 受け入れ校の体制と意識の格差を問題とする意見があった. 今後は, 互いの理解を深め問題点を改善して, 利用を推進し...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2015-09, Vol.74 (5), p.692-696
Hauptverfasser: 杉浦信子, 小沢浩, 木実谷哲史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕 副籍制度とは, 特別支援学校在籍児が居住地の学校に副籍を持ち, 交流を通じて地域との関係を継続することを目的とした制度である. 特別支援学校在籍児の保護者を対象にアンケートを行い, その利用の実態について調査を行った. 副籍利用率は全体の約半分で, 月1回の通信物での間接交流が最も多かった. 副籍に満足とした人は34.5%, 不満が10.3%であった. 満足度の高い例では十分な直接交流を持てた例が多く, 低い例では交流の難しさを訴える例が多かった. 親の送迎が困難, 受け入れ校の体制と意識の格差を問題とする意見があった. 今後は, 互いの理解を深め問題点を改善して, 利用を推進していく必要がある. 「I. はじめに」 副籍制度とは, 盲, ろう, 特別支援学校に在籍する子どもが, 自分が住んでいる地域の小中学校(地域指定校)に, 副次的な籍(副籍)を持ち, 学校・学級だよりの交換や, 学校・地域行事等における交流, 小中学校の日常の学習活動への参加を通じて, 地域とのつながりの維持や継続を図ることを目的とした制度である.
ISSN:0037-4113