首都圏に住む発達障害児の母親の東日本大震災での体験
[論文要旨] 東日本大震災時に首都圏で生活し, 発達障害と診断されている子どもの母親が, 子どもへの影響をどのように捉えて関わってきたのかを明らかにするために, 発達障害児の母親7名を対象にインタビューまたはインタビューに代わる自由記載による質問紙調査を実施した. その結果, 大地震発生以降に子どもを心配し気遣ってきた事象に, 《恐怖の再現への気遣い》, 《いつも通りでないことへの気遣い》, 《地震によって強化されたこだわりへの気遣い》の3つのカテゴリーを見出した. そして, そのような災害体験が母親に突きつけたものとして, 《これまで行ってきた育児の成果》, 《対策のない現実》の2つのカテゴ...
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Veröffentlicht in: | 小児保健研究 2014-01, Vol.73 (1), p.52-58 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [論文要旨] 東日本大震災時に首都圏で生活し, 発達障害と診断されている子どもの母親が, 子どもへの影響をどのように捉えて関わってきたのかを明らかにするために, 発達障害児の母親7名を対象にインタビューまたはインタビューに代わる自由記載による質問紙調査を実施した. その結果, 大地震発生以降に子どもを心配し気遣ってきた事象に, 《恐怖の再現への気遣い》, 《いつも通りでないことへの気遣い》, 《地震によって強化されたこだわりへの気遣い》の3つのカテゴリーを見出した. そして, そのような災害体験が母親に突きつけたものとして, 《これまで行ってきた育児の成果》, 《対策のない現実》の2つのカテゴリーを見出した. 考察では, 災害時における発達障害児とその母親の脆弱性について検討した. 「I. はじめに」 2011年3月11日, 首都圏では震度5強の地震に見舞われた. 首都圏の危害の大きさは東北太平洋沿岸地域とは比べものにはならないが, 身体に障害のある重症心身障害児者にとって, 障害の杖の役割をする車椅子や医療機器が大地震後の停電によって使用できない事態は, 思いのほか大きな影響を受けた. |
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ISSN: | 0037-4113 |