思春期の胆道閉鎖症患児の対処行動

〔論文要旨〕思春期の胆道閉鎖症患児が, 病気をもって生活する中でどのような対処行動をとっているかを明らかにすることを目的に, 小児専門病院に通院する10名の患児に行った半構成的面接の内容を質的帰納的に分析した. 思春期の胆道閉鎖症患児は, 【自分の体は自分で守る】ことを意識して行動しながらも, 【わかっていても治療行動ができない】自分を捉えており, 病気の受け止めやセルフケアへの支援を考えていく必要があった. また, 親への依存と自立の間で相反する対処行動をとり, 【病気への思いは誰にもうまく伝えられない】という問題も抱えており, 患児の自立への意思を支えながら病気への思いを傾聴できる信頼関係...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2013-11, Vol.72 (6), p.817-823
Hauptverfasser: 高田一美, 藤原千惠子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕思春期の胆道閉鎖症患児が, 病気をもって生活する中でどのような対処行動をとっているかを明らかにすることを目的に, 小児専門病院に通院する10名の患児に行った半構成的面接の内容を質的帰納的に分析した. 思春期の胆道閉鎖症患児は, 【自分の体は自分で守る】ことを意識して行動しながらも, 【わかっていても治療行動ができない】自分を捉えており, 病気の受け止めやセルフケアへの支援を考えていく必要があった. また, 親への依存と自立の間で相反する対処行動をとり, 【病気への思いは誰にもうまく伝えられない】という問題も抱えており, 患児の自立への意思を支えながら病気への思いを傾聴できる信頼関係の形成が必要であると考えられた. 「I.はじめに」 小児医療の進歩に伴い, 多くの慢性疾患をもつ子どもが成人期を迎えるようになり, 小児医療から成人医療への移行の支援が重要になってきている.
ISSN:0037-4113