新潟中越地震災害が夫婦関係やストレス, 子どものメンタルヘルスに与える影響

〔論文要旨〕目的:新潟中越地震災害が夫婦関係やストレス, 子どものメンタルヘルスに与える影響を明らかにし, 必要な看護を明らかにする. 対象と方法:新潟中越地震発生から7年後, 被災経験のある1,419人の母親に質問紙調査を行った. 結果:調査対象者の多くは災害後も良好な夫婦関係を継続していた. しかし, 多数ではないものの, 災害後, 配偶者と夫婦関係が悪くなった者のほうが有意に不安, 抑うつ得点が高く, 母親は「災害後, 夫が頼りにならない」と感じていた. また, 夫婦関係が悪化したケースの子どもは, その後に発生した災害時に必要以上におびえていた. さらに, 重回帰分析から, 母親のスト...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児保健研究 2013-11, Vol.72 (6), p.804-809
Hauptverfasser: 久保恭子, 後藤恭一, 宍戸路佳, 坂口由紀子, 田崎知恵子, 石舘美弥子, 草間真由美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕目的:新潟中越地震災害が夫婦関係やストレス, 子どものメンタルヘルスに与える影響を明らかにし, 必要な看護を明らかにする. 対象と方法:新潟中越地震発生から7年後, 被災経験のある1,419人の母親に質問紙調査を行った. 結果:調査対象者の多くは災害後も良好な夫婦関係を継続していた. しかし, 多数ではないものの, 災害後, 配偶者と夫婦関係が悪くなった者のほうが有意に不安, 抑うつ得点が高く, 母親は「災害後, 夫が頼りにならない」と感じていた. また, 夫婦関係が悪化したケースの子どもは, その後に発生した災害時に必要以上におびえていた. さらに, 重回帰分析から, 母親のストレスに最も関連しているものとして「世間からの孤立感」があった. 考察:母親は災害という重大な危機状況の時, 夫を頼りにしたい存在として捉えている. しかし, 災害は夫にとっても, 重大な危機状況であり, 妻が望むようなサポートや行動が夫にできるとは限らないだろう. このことは, 母親にとって信頼できる相談相手を失ったような気持ちになり, 孤立感を持っている可能性がある. 今後の看護として, 夫婦間関係の調整を含めた支援のあり方を検討しつつ, 母親の孤立化を防止するような対策が必要であり, インターネット相談などの活用も検討が求められる.
ISSN:0037-4113