乳児との対面時の母親の視線と対児行動に関する縦断研究―生後4~10か月までの変化

〔論文要旨〕本研究では, 乳児との対面時の母親の視線とあやし言葉, あやし行動について, 乳児の生後4~10か月まで, 縦断的に検討した. 対象者は, 乳児が生後4か月, 6か月, 8か月, 10か月のすべての時期に測定できた9名の母親である. 対象者に視線分析装置を装着させ, 乳児へのあやし行動の様子を10分間録画した. 録画データから, 乳児への視線, あやし言葉, あやし行動を測定した. その結果, 生後4か月では母親の注視のほとんどは乳児の顔に向けられていたが, 月齢が上がるにつれて, 乳児の顔への注視が減少し, 乳児以外への注視が増えていた. また同時に, 共同注意も増加していた....

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2013-07, Vol.72 (4), p.493-499
Hauptverfasser: 田中響, 松村京子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕本研究では, 乳児との対面時の母親の視線とあやし言葉, あやし行動について, 乳児の生後4~10か月まで, 縦断的に検討した. 対象者は, 乳児が生後4か月, 6か月, 8か月, 10か月のすべての時期に測定できた9名の母親である. 対象者に視線分析装置を装着させ, 乳児へのあやし行動の様子を10分間録画した. 録画データから, 乳児への視線, あやし言葉, あやし行動を測定した. その結果, 生後4か月では母親の注視のほとんどは乳児の顔に向けられていたが, 月齢が上がるにつれて, 乳児の顔への注視が減少し, 乳児以外への注視が増えていた. また同時に, 共同注意も増加していた. あやし言葉は10か月で有意に増加していた. 共同注意の出現によって母親からの言葉かけがより多くなることが明らかになった. 「I. はじめに」出生直後の新生児は人の顔に対して強く反応することが報告されている1).
ISSN:0037-4113