先天異常症候群における「集団外来」の実際

「I. はじめに」先天異常とは, その原因が出生前にある先天性の機能的異常や形態的異常を指し, 頻度は出生児の約5%とされる1). またわが国においては, 昭和60年以降, 乳児死亡の原因として「先天奇形, 変形及び染色体異常」が一貫して1位を占め続けており, 先天異常は小児医療における大きなインパクトとなっている2). 中でも先天異常症候群は, 染色体異常や遺伝子異常など単一の要因により, 発生段階においてさまざまな多面的影響を受け, 複数の共通する先天異常や成長・発達遅滞を引き起こす. このため先天異常症候群の健康管理においては多職種が関わる細やかな支援が必要であるが, これらを健康管理や...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2013-05, Vol.72 (3), p.341-345
Hauptverfasser: 清水健司, 張香理, 小島美佐子, 大橋博文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」先天異常とは, その原因が出生前にある先天性の機能的異常や形態的異常を指し, 頻度は出生児の約5%とされる1). またわが国においては, 昭和60年以降, 乳児死亡の原因として「先天奇形, 変形及び染色体異常」が一貫して1位を占め続けており, 先天異常は小児医療における大きなインパクトとなっている2). 中でも先天異常症候群は, 染色体異常や遺伝子異常など単一の要因により, 発生段階においてさまざまな多面的影響を受け, 複数の共通する先天異常や成長・発達遅滞を引き起こす. このため先天異常症候群の健康管理においては多職種が関わる細やかな支援が必要であるが, これらを健康管理や治療に結びつけるという認識がなかった時代はそう遠い昔のことではない. 医療は合併症の評価や治療に介入せず, 成書は診断所見を中心とした記述的な記載が主体であった3). しかしながら社会的な認識の変化とともに, 知的障害の有無や身体所見にかかわらず遺伝性疾患をもつ方が一般に受け入れられる時代になり, これらの患者に対し可能な治療や支援が行われるようになってきた.
ISSN:0037-4113