学童保育指導員による児童虐待の発見に関する実態調査

〔論文要旨〕学童保育指導員を対象に, 子どもへの虐待を発見した際の実態調査を行った. その結果, 回答のあった678人中157人(23.2%)の指導員が, 子どもへの虐待を発見していた. 指導員の特徴として, 子どもへの虐待を発見した者の多くは免許を有する常勤者であり, 子どものいる既婚者であった. 発見は, 子どもの身体にできたあざや傷以外に, 衣類や身体の不潔さや問題行動などによるものが多かった. また, 子どもからの訴えや子どもの表情も発見につながっていた. 子どもへの虐待と判断する要因としては, 「性的行動問題」, 「身体的問題」, 「社会的行動問題」, 「養育上の問題」の4因子が抽出...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2012-09, Vol.71 (5), p.748-755
Hauptverfasser: 鈴井江三子, 谷野宏美, 斎藤雅子, 飯尾祐加
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕学童保育指導員を対象に, 子どもへの虐待を発見した際の実態調査を行った. その結果, 回答のあった678人中157人(23.2%)の指導員が, 子どもへの虐待を発見していた. 指導員の特徴として, 子どもへの虐待を発見した者の多くは免許を有する常勤者であり, 子どものいる既婚者であった. 発見は, 子どもの身体にできたあざや傷以外に, 衣類や身体の不潔さや問題行動などによるものが多かった. また, 子どもからの訴えや子どもの表情も発見につながっていた. 子どもへの虐待と判断する要因としては, 「性的行動問題」, 「身体的問題」, 「社会的行動問題」, 「養育上の問題」の4因子が抽出された. 「I. 緒言」2000年5月24日, 法律第82号による「児童虐待の防止等に関する法律」が公布され, 虐待防止に向けた取り組みが本格化した. 同法第5条には, 「学校, 児童福祉施設, 病院その他の児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員, 児童福祉施設の職員, 医師, 保健師, 弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は, 児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し, 児童虐待の早期発見に努めなければならない」とあり, 児童虐待の早期発見の重要性を明記している.
ISSN:0037-4113