学童保育指導員による性暴力と虐待の発見要因-学童保育指導員へのインタビュー調査を基に

〔論文要旨〕 子どもへの性暴力や虐待を発見した(または疑った)経験がある学童保育指導員(以下, 指導員とする)を対象に, 半構造的聞き取り調査を行い, どういった状況で発見したのかを明らかにした. その結果, 発見した指導員の特徴として, 教員免許や保育士等の資格を有し, 経験年数の長い者が多くの事例を発見していた. 子どもへの性暴力や虐待の発見要因としては, 『子どもからの直接的な訴え』, 『子どもからの間接的な訴え』, 『子どもの日常生活状態の観察』の3つのカテゴリーが抽出された. このうち, 性暴力の発見は, 『子どもの日常生活状態の観察』のみによるものであった. 被害児童の特徴として,...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2012-01, Vol.71 (1), p.52-59
Hauptverfasser: 谷野宏美, 鈴井江三子, 久我原朋子, 池田理恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔論文要旨〕 子どもへの性暴力や虐待を発見した(または疑った)経験がある学童保育指導員(以下, 指導員とする)を対象に, 半構造的聞き取り調査を行い, どういった状況で発見したのかを明らかにした. その結果, 発見した指導員の特徴として, 教員免許や保育士等の資格を有し, 経験年数の長い者が多くの事例を発見していた. 子どもへの性暴力や虐待の発見要因としては, 『子どもからの直接的な訴え』, 『子どもからの間接的な訴え』, 『子どもの日常生活状態の観察』の3つのカテゴリーが抽出された. このうち, 性暴力の発見は, 『子どもの日常生活状態の観察』のみによるものであった. 被害児童の特徴として, 小学校低学年の子どもが多く, 男女別の性差はなかった. 一方, 加害者の特徴として, 虐待の場合は母親や父親または母親の恋人, 兄弟等であったが, 加害者が単独で虐待をするよりも, 複数の家族構成員が加害者となっている場合も多かった. 以上, 性暴力と虐待の発見要因は, 指導員の資格取得の有無や経験年数に影響されていることが示唆された.
ISSN:0037-4113