入院児に医療者以外との遊びが与える影響

〔論文要旨〕遊び体験が入院児に与える影響を明確化する目的で, Grounded Theoryを用いて, 研究参加に同意した入院中の5歳~16歳のこども12人に対し, 研究者が一緒に遊んだ後で, 遊び体験と入院生活についてインタビューし, 分析した. その結果, こどもは, 入院後[病院では自分の居場所がつくれない]と周囲に距離感を感じて孤立し, 「ヒマ」を感じ始めると[刻まない時間]と時間の知覚が変化し, [だんだん自分がマヒしていく]と[ヒマゾーン]の深みに填り, 逃れようと力尽きるプロセスを体験していた. そして, こどもはこの力尽きるプロセスから救出されたのが, 研究者との遊びだと語った...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2011-05, Vol.70 (3), p.337-342
1. Verfasser: 松尾ひとみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕遊び体験が入院児に与える影響を明確化する目的で, Grounded Theoryを用いて, 研究参加に同意した入院中の5歳~16歳のこども12人に対し, 研究者が一緒に遊んだ後で, 遊び体験と入院生活についてインタビューし, 分析した. その結果, こどもは, 入院後[病院では自分の居場所がつくれない]と周囲に距離感を感じて孤立し, 「ヒマ」を感じ始めると[刻まない時間]と時間の知覚が変化し, [だんだん自分がマヒしていく]と[ヒマゾーン]の深みに填り, 逃れようと力尽きるプロセスを体験していた. そして, こどもはこの力尽きるプロセスから救出されたのが, 研究者との遊びだと語った. 本研究より, 入院児にとって遊びが重要とされる根拠が示唆された. 「I. はじめに」こどもは, 入院にストレスを感じやすく, 生活の変化への適応が困難とされている1). このため, 小児医療へのボランティア導入が試みられている.
ISSN:0037-4113