京都大学における病児保育室内の感染隔離室設置に関する調査

〔論文要旨〕京都大学女性研究者支援センター病児保育室は医療機関併設型であるが, 大学病院という特殊診療の医療機関に併設するため, 入室許可の条件は伝染性感染症を除外するなど保育所型と同様に厳しく制限している. 一方, 病児保育園の利用者が, 入室許可条件の拡大のための感染隔離室の設置を求めているのかについては, 根拠となるデータがない. そこで, 京都大学のすべての教員と学生を対象にアンケートによる要望調査を行った. 804人から得た回答内容を解析すると, 回答者の81.0%は病児保育室に感染隔離室を設置するよう要望した. しかし, 回答者の30.6%が病児保育室内の感染隔離室を実際に利用する...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2010-03, Vol.69 (2), p.336-339
Hauptverfasser: 山中康成, 野間久史, 登谷美穂子, 足立壯一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔論文要旨〕京都大学女性研究者支援センター病児保育室は医療機関併設型であるが, 大学病院という特殊診療の医療機関に併設するため, 入室許可の条件は伝染性感染症を除外するなど保育所型と同様に厳しく制限している. 一方, 病児保育園の利用者が, 入室許可条件の拡大のための感染隔離室の設置を求めているのかについては, 根拠となるデータがない. そこで, 京都大学のすべての教員と学生を対象にアンケートによる要望調査を行った. 804人から得た回答内容を解析すると, 回答者の81.0%は病児保育室に感染隔離室を設置するよう要望した. しかし, 回答者の30.6%が病児保育室内の感染隔離室を実際に利用するかどうかわからないと態度を保留し, さらに, 利用したくないと答えた5.8%のうち34.0%が別の感染症が伝染するという理由を挙げた. このことは利用予定者が感染隔離室の安全性に強く不安や疑念を抱いていることを示唆した. このため感染隔離室を新設するにあたって, 感染制御の設備や技術の安全性を確保するだけでなく, 広報で運営内容を十分説明し支持を得る必要がある.
ISSN:0037-4113