稀少疾患と新生児マススクリーニングの建て直し ―患者会の希望

「I. はじめに」「小児保健研究」が会員にとって, より魅力ある機関誌となるように編集委員会で話し合った. その結果, 小児保健に関する最新の話題をわかりやすく解説する「視点」を適宜載せることとした. その第一号として, 稀少疾患であるものの早期発見・治療(症状の発生予防)が可能なプロピオン酸血症(PA)とメチルマロン酸血症(MMA)の患者会の意見をまとめた1). これらの2疾患は, 新しい新生児マススクリーニング(タンデムマス)対象疾患である. 発見頻度は前者1/4万, 後者1/11万であり, タンデムマス対象全25疾患の頻度1/8,800の中では比較的頻度の高い疾患である2). 小児慢性特...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児保健研究 2010-01, Vol.69 (1), p.3-5
Hauptverfasser: 加藤忠明, 柏木明子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」「小児保健研究」が会員にとって, より魅力ある機関誌となるように編集委員会で話し合った. その結果, 小児保健に関する最新の話題をわかりやすく解説する「視点」を適宜載せることとした. その第一号として, 稀少疾患であるものの早期発見・治療(症状の発生予防)が可能なプロピオン酸血症(PA)とメチルマロン酸血症(MMA)の患者会の意見をまとめた1). これらの2疾患は, 新しい新生児マススクリーニング(タンデムマス)対象疾患である. 発見頻度は前者1/4万, 後者1/11万であり, タンデムマス対象全25疾患の頻度1/8,800の中では比較的頻度の高い疾患である2). 小児慢性特定疾患治療研究事業(小慢事業)が1974年に整備されて以降, 全体的な対象疾患罹患児の死亡率は約1/3に(1~19歳児10万対, 1975年の10.46から2006年の3.44に)減少したが, 代謝異常は同10万対, 1975年の0.19から2006年の0.13の減少にとどまった3).
ISSN:0037-4113