箸の操作時の手指運動についての三次元的観察―箸の操作方法と手指運動の関連について

〔論文要旨〕箸を使って食べる行動の発達期である幼児期における箸の操作方法の特徴, ならびに手指動作の変化を明らかにすることを目的とし, 幼児27名および成人6名の箸を操作する際の手指の動きについて三次元的解析を行った. その結果, 箸を交差させて箸先を開いている幼児の操作では, 成人群と比較して手指の動作が非常に大きい傾向を示した. また, これらの箸操作を行う際の手指動作については, 拇指を固定しながら示指, 中指を動かすという動作が未成熟であると考えられた. 以上より, 発達期にみられる箸の操作方法では, それぞれの間で手指運動に大きな差異があり, この違いと近箸および遠箸の動きとの間に関...

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Veröffentlicht in:小児保健研究 2009-07, Vol.68 (4), p.446-453
Hauptverfasser: 大岡貴史, 板子絵美, 飯田光雄, 久保田悠, 山中麻美, 石川光, 向井美惠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔論文要旨〕箸を使って食べる行動の発達期である幼児期における箸の操作方法の特徴, ならびに手指動作の変化を明らかにすることを目的とし, 幼児27名および成人6名の箸を操作する際の手指の動きについて三次元的解析を行った. その結果, 箸を交差させて箸先を開いている幼児の操作では, 成人群と比較して手指の動作が非常に大きい傾向を示した. また, これらの箸操作を行う際の手指動作については, 拇指を固定しながら示指, 中指を動かすという動作が未成熟であると考えられた. 以上より, 発達期にみられる箸の操作方法では, それぞれの間で手指運動に大きな差異があり, この違いと近箸および遠箸の動きとの間に関連があることが示唆された. 「I. 緒言」摂食機能の発達過程においては, 食具(食器)を用いた自食機能の獲得が最も高い発達段階とされる1~4). この高度な摂食機能へと移行する過程では, 手指機能の発達をはじめ, 手と口の協調機能など総合的な巧緻性の向上が重要な役割を果たしている2,5~10).
ISSN:0037-4113