乳児期における育児参加と虐待予防に対する父親の意識-核家族の父親への面接調査より

育児や子ども虐待問題に対する父親の意識を明らかにすることを目的に, 核家族で乳児を持つ3人の父親を対象に面接調査を実施した. その結果, 父親たちは育児への積極的な姿勢を持っている反面, 仕事のために十分にかかわれていないという葛藤を抱えていること, 妻に対して育児負担を軽減したいと思っていること, 育児を学びたいという意識があることが明らかとなった. また, 虐待予防の点からも妻のストレス軽減が必要だと考えていることがわかった. しかし, 育児にかかわる社会資源活用についての意見はなかった. 実家からの支援を受けにくい核家族世帯に対して社会資源の活用を意識づけていくことが虐待予防のためにも必...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児保健研究 2008-03, Vol.67 (2), p.403-410
1. Verfasser: 頭川典子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:育児や子ども虐待問題に対する父親の意識を明らかにすることを目的に, 核家族で乳児を持つ3人の父親を対象に面接調査を実施した. その結果, 父親たちは育児への積極的な姿勢を持っている反面, 仕事のために十分にかかわれていないという葛藤を抱えていること, 妻に対して育児負担を軽減したいと思っていること, 育児を学びたいという意識があることが明らかとなった. また, 虐待予防の点からも妻のストレス軽減が必要だと考えていることがわかった. しかし, 育児にかかわる社会資源活用についての意見はなかった. 実家からの支援を受けにくい核家族世帯に対して社会資源の活用を意識づけていくことが虐待予防のためにも必要であると考えられた. I. はじめに 育児における父親の役割は子どもの発達の側面から見ても重要である1). しかし, 育児期の父親の就業時間は他の年齢階層と比較して最も長く2), 育児休暇取得率も0.5%(平成16年度)である. 他の先進国と比較しても日本の父親の育児参加が十分に進んでいない.
ISSN:0037-4113