生物物理学からみた臨床医学:タンパク質ダイナミクスと細胞ダイナミクス

「はじめに」物理学の主要な「原理」は (力学, 電磁気学, 熱力学, 量子力学などの) 教科書に記述されているようにすでに100年以上前に分かっており, その重要性や確実性が揺らぐことはないものと思われる. しかし, その「原理」を現実問題に「応用」するには幾多のハードルがあり, 挑戦的な課題がいくらでも存在する. 例えば, 数十年前から物理学を経済学, 社会学といった人文科学とみなされていた分野に応用することも始められており, 蝶がどのように飛翔するのか, 細胞がどのように変形し運動するのかということも力学や流体力学 (または統計力学) のホットなトピックスとなっている. 現在でも物理学は適...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2024/08/26, Vol.20(3), pp.232-236
1. Verfasser: 藤崎, 弘士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」物理学の主要な「原理」は (力学, 電磁気学, 熱力学, 量子力学などの) 教科書に記述されているようにすでに100年以上前に分かっており, その重要性や確実性が揺らぐことはないものと思われる. しかし, その「原理」を現実問題に「応用」するには幾多のハードルがあり, 挑戦的な課題がいくらでも存在する. 例えば, 数十年前から物理学を経済学, 社会学といった人文科学とみなされていた分野に応用することも始められており, 蝶がどのように飛翔するのか, 細胞がどのように変形し運動するのかということも力学や流体力学 (または統計力学) のホットなトピックスとなっている. 現在でも物理学は適用範囲を広げ続けており, その対象としては生物学や医学も含まれる. 医学と物理との直接的な関係という意味では, Computed Tomography (CT) やMagnetic Resonance Imaging (MRI) のような電磁波や放射線を使った測定装置が思い浮かぶ.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.20.232