画像診断AIへの期待

「はじめに」AIはArtifical Intelligence:人工知能の略称であり, 近年, 巷には「AI搭載」家電などが溢れ, 画像や言語の生成系AIがインターネットやマスコミを賑わせている. 問題点の指摘はあるが「AIであれば何でもできるだろう」類の誤解も生じている. 医療の分野においても多方面にわたりAI技術を用いた研究やAI技術の導入が始まっているが, AI技術の研究・運用にあたりAIについて正しい知識を持ち合わせた上で臨むべきである. 本稿では, 本邦における画像診断の現状, Deep Learning(DL)の特徴と, AI技術の研究・運用・管理について既説する. 「本邦における画像診断の現状」医学分野の知識のdoubling timeは1950年代では50年, 1980年代では7年, 2010年では3.5年, 2020年には73日と報告されている. 2023年の現在はさらに短縮されていることが予想される.