変形性膝関節症の病態と治療方針―多血小板血漿による自由診療を含めて
「変形性膝関節症 (osteoarthritis of the knee : 膝OA)」膝OAとは加齢などによって関節軟骨の変性や摩耗を生じ, 軟骨下骨の硬化や増殖性変化, 関節包滑膜の炎症をきたす疾患で, 本邦の有病者数は2,500万人, 有症者数は800万人以上である. 明らかな原因のない1次性と, 関節リウマチ, 膝関節特発性骨壊死, 代謝性疾患, 外傷などによる2次性があり, 1次性が多い. 危険因子としては年齢, 性別, 体重過多, 遺伝的素因と, 関節不安定性, 関節外傷, 関節の過度な力学的ストレスなどの局所的要因があげられる. 症状は膝関節痛や膝関節可動域制限などであり, 初期...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2023/12/25, Vol.19(4), pp.308-312 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「変形性膝関節症 (osteoarthritis of the knee : 膝OA)」膝OAとは加齢などによって関節軟骨の変性や摩耗を生じ, 軟骨下骨の硬化や増殖性変化, 関節包滑膜の炎症をきたす疾患で, 本邦の有病者数は2,500万人, 有症者数は800万人以上である. 明らかな原因のない1次性と, 関節リウマチ, 膝関節特発性骨壊死, 代謝性疾患, 外傷などによる2次性があり, 1次性が多い. 危険因子としては年齢, 性別, 体重過多, 遺伝的素因と, 関節不安定性, 関節外傷, 関節の過度な力学的ストレスなどの局所的要因があげられる. 症状は膝関節痛や膝関節可動域制限などであり, 初期には立ち上がりや動作開始時の膝関節の痛み, 正座困難などを訴えることが多い. 一般的に膝の内側が主に障害される内側型膝OAが多く, 病期の進行とともにO脚変形をきたす. 末期には日常生活の活動性 (activity of daily living : ADL) や生活の質 (quality of life : QOL) の低下をもたらすことから, 健康寿命の延伸のためにも早期診断, 早期治療が重要である. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.19.308 |