レンチウイルスベクターを使用した造血幹細胞の遺伝子治療

「はじめに」遺伝子治療は体外法(ex vivo)と体内法(in vivo)に大別され, その主な対象疾患は先天性疾患と悪性腫瘍である. 先天性疾患に対する遺伝子治療として, レンチウイルスベクターを用いて骨髄造血幹細胞に遺伝子を付加するex vivo遺伝子治療が開発され, その有効性と安全性は臨床試験で証明されつつある. 最近, 遺伝子編集技術が開発され, 造血幹細胞の遺伝子異常を直接修復するex vivo遺伝子修復治療が研究開発されている. また, 悪性腫瘍に対するex vivo遺伝子治療として, キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)治療におけるCAR遺伝子付加にレンチウイルスベクターが...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2023/08/31, Vol.19(3), pp.205-210
1. Verfasser: 内田, 直也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」遺伝子治療は体外法(ex vivo)と体内法(in vivo)に大別され, その主な対象疾患は先天性疾患と悪性腫瘍である. 先天性疾患に対する遺伝子治療として, レンチウイルスベクターを用いて骨髄造血幹細胞に遺伝子を付加するex vivo遺伝子治療が開発され, その有効性と安全性は臨床試験で証明されつつある. 最近, 遺伝子編集技術が開発され, 造血幹細胞の遺伝子異常を直接修復するex vivo遺伝子修復治療が研究開発されている. また, 悪性腫瘍に対するex vivo遺伝子治療として, キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)治療におけるCAR遺伝子付加にレンチウイルスベクターが使用されている. ここでは, レンチウイルスベクターを用いた造血幹細胞遺伝子付加治療, 造血幹細胞遺伝子編集治療についてまとめた. 「1. レンチウイルスベクターによる治療用遺伝子の付加」造血幹細胞に遺伝子を付加して欠損タンパク質を置き換えるex vivo遺伝子治療は, 有効性が証明されつつあり, 様々な先天性疾患の治療が可能となっている.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.19.205